文化施設

軽井沢駅から徒歩5分、大賀ホールの斜向かいに建つ美術館である。(2022年秋開館予定)
藤田嗣治の、猫や少女、宗教画を中心とする個人コレクションを展示し、館内にはコンサートスペースやレストランも併設される。

個人の邸宅に招かれて絵画を鑑賞するような温かみが感じられるよう、外壁にはオーナー安東夫妻がかつて暮らしたイギリス製のレンガを使用し、展示室の内部空間も個人邸宅のインテリアのイメージで仕上げを施す計画だ。

建築は中庭を中心とするロの字型で構成され、1階にレストラン・コンサートスペース・ショップおよび収蔵庫を置き、2階が中庭の周りを反時計回りに回遊する展示空間となる。

中庭を囲む建築空間は、西洋の修道院を想起させるものだ。
第二次世界大戦前のパリで一世を風靡した藤田は、戦時中に軍部の指令により戦争画を描いたことから、戦後は戦争協力者として批判を浴び、日本を離れてフランスで生涯を終えた。
フランスではカトリックに帰依し、最晩年、自身が眠ることになる礼拝堂の内壁を宗教画で埋め尽くした藤田。

藤田の作品と生涯の双方には、柔らかな母性的な素肌、寛容な神の慈愛に包まれたいという体内回帰願望が見え隠れしている。オーナーの安東氏は、精神的に辛かった時期に軽井沢で藤田の版画に出会い、癒された体験から藤田作品の収集を始めたという。軽井沢という土地、そして無垢な猫や少女を描く藤田の眼差しには、疲れた人の心を包み込む力が宿っているのだろう。

中庭を包む回遊空間で藤田の絵画を鑑賞することが、来訪者にとって柔らかな癒しの時間となれば幸いである。

photo: Musée Ando à Karuizawa (Under Construction)
美術館内観
photo: Musée Ando à Karuizawa (Under Construction)
右上部分は最後に工事が行われ、ロの字型が完成する

DATA

所在地 長野県北佐久郡軽井沢町
主要用途 美術館、レストラン、音楽サロン、ミュージアムショップ
構造・構法 鉄筋コンクリート造
階数 地上2階
敷地面積 1,343.38 m2
建築面積 774.16 m2
延床面積 1,481.58 m2
設計担当 武富恭美
構造設計 梅沢建築構造研究所
設備設計 環境エンジニアリング
施工会社 清水建設
竣工 建設中
photo: Musée Ando à Karuizawa (Under Construction)
美術館内観
photo: Musée Ando à Karuizawa (Under Construction)
右上部分は最後に工事が行われ、ロの字型が完成する

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